ブラームス 自筆譜アートフレーム:ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調 Op.100
¥14,630
Brahms, Johannes (1833–1897)
Violinsonate Nr. 2 A-Dur, Op. 100
〜円熟の詩情、穏やかな光の陰影〜
1886年、53歳のブラームスは、スイスのトゥーン湖畔で夏を過ごしながら、ヴァイオリンソナタ第2番イ長調 Op.100 を書き上げました。避暑地としても知られるこの地の自然に心を動かされ、その思いを友人への書簡にこう記しています。
「この地域はメロディーで満ちていて、注意しないと踏みつけてしまいそうだ」
その空気や静けさは、この曲にやわらかく滲み、湖面の光や森の匂いがふと旋律に重なって聞こえるかもしれません。それ故か、この作品は「トゥーン・ソナタ」と呼ばれることもあります。
ソナタは三楽章からなり、華やかな技巧よりも、旋律の親しみやすさと和声の陰影、そして何よりヴァイオリンとピアノの呼応が印象に残ります。
第1楽章 Allegro amabile では、ピアノがそっと主題を掲げ、ヴァイオリンが短く応える。その会話が息を合わせるたびに、和声の色合いが少しずつ移ろい、全体に穏やかな流れと奥行きが生まれていきます。 第2楽章 Andante tranquillo – Vivace では、歌うような旋律が対位法的に繰り返され、Vivace部分では軽やかな動きが広がります。第3楽章 Allegretto grazioso では、三連符や6連符が絡み合い、コーダでヴァイオリンの重音が静かに幕を下ろします。
第1楽章冒頭の自筆譜には、音形やアーティキュレーションに関わる入念な書き込み、訂正の痕跡が見られます。譜面に残ったその気配から、音の置き方ひとつを丁寧に確かめていったブラームスの姿が目に浮かぶような気がいたします。
この年のブラームスは実り豊かで、同じ夏にチェロ・ソナタ第2番やピアノ三重奏曲第3番、歌曲集なども生み出しました。いずれにも、過度に身構えない明朗さと、晩年の熟しつつある抒情が通っているように思えます。
このソナタは同年12月2日、冬のウィーンで初演されました。ヴァイオリンはヨーゼフ・ヘルメスベルガー、ピアノはブラームス自身が担当したそうです。二人の気心の知れた演奏家が向かい合い、等しい重さで語り合う、そんな場面が目に浮かぶようです。
●プリントタイプ/高精細ジークレープリント
●出力紙/ドイツ製ハーネミューレ ファイン・アート紙(アシッドフリー)
●額縁/UVカットアクリルガラス、中性紙マット、吊元金具(額側)、吊紐、外箱
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<商品画像と実物の色味について>
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▼【Reference】
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