シューマン 自筆譜アートフレーム:『子供の情景』作品15 第1曲「見知らぬ国と人々について(異国からのお話)」
¥14,630
Schumann, Robert (1810–1856)
Kinderszenen, Op. 15, Nr. 1
„Von fremden Ländern und Menschen“
シューマン『子供の情景』第1曲 〜静かな扉をひらく音の風景〜
ロベルト・シューマン(1810–1856)が1838年、27歳のときに作曲した《子供の情景(Kinderszenen)》Op.15は、有名な『トロイメライ』を含む13の小品からなるピアノ作品集で、「子どもたちのために」ではなく、「子ども時代を想い出す大人たちのために」書かれたとされ、詩的なタイトルが付されたそれぞれの曲が、内面世界や記憶を呼び起こすような静かな魅力を持っています。
その第1曲「見知らぬ国と人々について」(邦題は複数の異なる訳あり)は、優しく親しみやすい旋律が特徴で、作品全体の「扉」として穏やかな世界へ聴き手をいざないます。
この曲は、いわば“音楽による想像の旅のはじまり”であり、幼いころに読んだ絵本や物語に出てくる異国の風景、あるいはまだ知らぬ世界への好奇心が音楽の中に静かに息づいているようです。
この作品集が生まれた背景として、R.シューマンが当時婚約者だったクララに宛てた手紙に、次のような記述があります。
「君がかつて書いてくれた「あなたはときどき子どものように見える」という言葉の余韻があったのだろうか。つまり、まるで私は翼のある服を着た子供のような気分になって、30曲ほどの小さくて可愛らしい小品を書き、そのうち12曲ほどを選んで《子供の情景》と名づけた。」
この手紙からは、作品が恋人だったクララとの個人的なやりとりの中から構想され、生み出されたものであったことがわかります。
さて、今回の自筆譜を見てみましょう。
興味深い点として、この自筆譜の左下にはシューマン自身の手で「1845年2月16日 ドレスデン」と記されていることです。作品自体が作曲されたのは1838年とされているのに、7年後の年号が書かれています。
さらに、右下にはR.シューマンの署名とともに、次のような献辞も添えられています。
„Für Marie mit den herzlichsten Empfehlungen“
(マリーへ 心からの敬意をこめて)
この「マリー」が誰であるのかについては、はっきりした記録は残っておらず、音楽学者の間でも意見が分かれています。妻、クララ・シューマンの異母妹でありピアニストだった、マリー・ヴィークではないかという説もありますが、確証は無いようです。
いずれにしても、この譜面は単なる演奏用や出版用の清書ではなく、シューマンが特定の人物のために書いた「贈呈用の自筆譜」であったことは明らかです。
19世紀の作曲家たちは、こうした「清書譜」を贈ることがよくありました。そこには、楽譜が単なる音の記録ではなく、人と人とを結ぶ特別なかたちであったことが感じられます。
●プリントタイプ/高精細ジークレープリント
●出力紙/ドイツ製ハーネミューレ ファイン・アート紙(アシッドフリー)
●額縁/UVカットアクリルガラス、中性紙マット、吊元金具(額側)、吊紐、外箱
●その他、仕様等については、下記をご確認ください。
※Pay IDからご覧の方は下記URL(当店サイト)に
額の色目、仕様等、詳しく載っていますので、ぜひご確認下さい。
https://apollon.kooki-museum.com
<商品画像と実物の色味について>
商品の色味については、できる限り実物に近づけるよう調整を行っておりますが、お使いのモニター設定や機種、お部屋の照明環境によっても、実際の商品と異なって見える場合がございます。また、所蔵機関のスキャニングデータに基づくため、オリジナルの自筆譜と色味が異なることもございます。あらかじめご理解いただきますようお願い申し上げます。

▼フレームサイズ(B)Typeのサンプル画像です。※(A) Typeは上部画像をご確認ください。


▼【Reference】
YouTube Channel: Berliner Philharmoniker