ショパン 自筆譜アートフレーム:バラード第1番 ト短調 作品23(断片)
¥14,630
Chopin, Frédéric (1810–1849)
Ballade No. 1 in G minor
Op. 23
〜バラード第1番:若きショパンが紡ぐ叙事詩の旋律〜
フレデリック・ショパンの作品の中でも演奏機会の多い『バラード第1番 ト短調 作品23』。作曲は1833年から1836年頃にかけて行われ、ショパンが23〜26歳の時期にあたります。故郷ポーランドを離れ、パリでの生活が定着し始めた頃の作品です。
当時、「バラード」とは叙事詩(物語)を歌にした形式のことで、主に文学や声楽で用いられていました。ショパンはこれをピアノ曲の題名として採用しました。特定の物語が明示されたわけではありませんが、器楽でありながら物語詩のような広がりをもたせる試みだったのかもしれません。
曲の構成は、静かな導入から主題へ向かう流れが印象的で、まるで物語を語るかのような展開を思わせます。詩人アダム・ミツキェヴィチの作品から着想を得た可能性が指摘されることもありますが、ショパン自身がその関連について言及した記録は残っていないようです。
この自筆譜は断片的な形で現存し、現在はワルシャワの国立フレデリク・ショパン研究所に所蔵されています。サイズは20.4 × 25.8 cm。内容は序奏(1〜7小節)と主題の冒頭(8〜13小節)のみが記され、2ページ目は空白のまま残されています。所蔵元の資料によれば、この自筆譜は未完成のまま、ショパン自身が途中で紛失した可能性も指摘されている譜面です。
その後、この自筆譜は英国のコレクターを経て、2016年11月29日にロンドンのオークション(Sotheby’s)で落札され、ポーランドに戻りました。
同時代の作曲家ロベルト・シューマンは、この曲を特に好んでいたと伝えられています。シューマンがショパンに「あなたの作品の中で最も好きだ」と語った際、ショパンも穏やかに受け止めたという逸話があります。ショパン自身も愛着を抱いていた一作だったのでしょう。
また、『バラード第1番』はワディスワフ・シュピルマンの半生を描いた映画『戦場のピアニスト』において、象徴的な場面で演奏されることでも広く知られています。瓦礫の残る建物の中で、主人公がドイツ軍将校の前でこの曲を弾くシーンは、極限状況に置かれた人が音楽によって自分を保とうとする瞬間として、深い印象を残しました。
絶望の只中にあっても消えることのない芸術の力、そして言葉では語り尽くせないポーランドの魂を象徴するものとして、多くの人々の記憶に残されています。バラード第1番が持つ劇的なエネルギーと歴史の重みが、現代の受容にも重ね合わされる一例と言えるのではないでしょうか。
●プリントタイプ/高精細ジークレープリント
●出力紙/ドイツ製ハーネミューレ ファイン・アート紙(アシッドフリー)
●額縁/UVカットアクリルガラス、中性紙マット、吊元金具(額側)、吊紐、外箱
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<商品画像と実物の色味について>
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▼フレームサイズ(B)Typeのサンプル画像です。※(A) Typeは上部画像をご確認ください。
▼【Reference】
YouTube Channel:Raindrop
▼【Reference】映画「戦場のピアニスト」より
YouTube Channel:David Elias Flores Escalante











