ベートーヴェン 自筆譜アートフレーム:「トルコ行進曲」
¥14,630
Beethoven, Ludwig van (1770–1827)
Die Ruinen von Athen, Op. 113, Nr. 4
"Marcia alla turca"
この「トルコ行進曲」は、1811年、41歳のベートーヴェンが劇作家アウグスト・フォン・コッツェブーの戯曲《アテネの廃墟》(Die Ruinen von Athen)のために作曲した劇付随音楽の一部です。
劇付随音楽とは、演劇の進行に合わせて挿入される音楽で、行進曲や舞曲、間奏曲(Zwischenspiel)など、さまざまな形式を含みます。
《アテネの廃墟》は、当時オーストリア帝国領だったペスト(現在のブダペスト)に新設された劇場のこけら落とし公演のために委嘱され、その際に上演されたそうです。
タイトルの「alla turca(トルコ風)」という表現は、18〜19世紀のヨーロッパで流行した「トルコ趣味(Turquerie)」に由来し、オスマン帝国の軍楽隊(メフテル)の打楽器やリズムを模倣した音楽様式を指します。
この様式の代表作として広く知られるのが、モーツァルトのピアノ・ソナタ第11番 K.331 の終楽章(トルコ行進曲)ですが、約28年後に作曲されたベートーヴェンの《トルコ行進曲》もそれと同様に「トルコ趣味」を取り入れた作品。ただし、モーツァルトの作品がピアノ独奏曲であるのに対し、ベートーヴェンのものは劇付随音楽として作曲されており、より軍楽的なリズムや色彩が強調されています。
興味深いことに、この行進曲の主題は、ベートーヴェンが1809年に作曲したピアノ独奏曲《創作主題による6つの変奏曲 ニ長調》Op.76にもすでに登場しており、ベートーヴェン自身が気に入った旋律を再利用したと考えられます。
この行進曲は後にピアノ独奏用にも編曲され、単独で演奏される機会が多くなりました。現在広く知られているピアノ独奏版は、ベートーヴェン自身によるものではなく、19世紀のロシアのピアニスト、アントン・ルービンシュタインによる編曲版に基づいています。
後年、この編曲をセルゲイ・ラフマニノフが演奏し、1925年(または1927年、資料により異なる)にピアノロール録音を残しました。録音を聴く限り、ラフマニノフはこの編曲に独自の装飾を加えて演奏しており、現在一般に知られるピアノ版は、原曲よりも華やかで技巧的な性格を帯びるようになったと解釈されています。
なお、この自筆譜には、ナイフで削られて修正された跡やインクのかすれが見てとれます。構想を練り、推敲を重ねながら一音一音を紡いでいったベートーヴェンの息づかいが、今もなお静かに刻まれているようです。
《商品説明》
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<商品画像と実物の色味について>
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▼【Reference】
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